今日学んだこと

分かっていることは書かない。分かっていないから書いて学ぶ。だから「今日学んだこと」なのです。

レッテルのフレーム

(写真:飛行機雲 二筋)

参考:ダニエル・ピンク 『人を動かす、新たな三原則』より

■コンビニのトイレでは

「すいません。ちょっと、トイレ良いですか。」
そう断って借りるコンビニのトイレ。

まず、気がつくのは、正面の水洗タンクに貼られている張り紙。

『いつもキレイに使って頂き有難うございます。』

まだ、これから使うのに、きれいに使うかも分からないのに、いきなり感謝の言葉を述べられてもねえ、と違和感。

でも、なるべく汚さないようにキレイに使おうと言う意識にはなる。
なぁるほど。
これが、お店の狙いな訳ね。

定期的に清掃をしていても、使う人皆んなのマナーが悪ければ、すぐにトイレは汚れ、特に女性は嫌悪感をもよおすだろう。
そして、ついにはお店に足が向かなくなることだってある。

だから、先にお願いしてしまうんだな。
『キレイに使ってください』では、汚す人と決めつけているみたいで失礼だし、『いつもキレイに〜』ならこちらも気持ち良く聞ける。
それに、キレイに使う人と思って貰えてることを裏切っちゃいけない、と言う気持ちになるしね。

■レッテルの力

これを、「レッテルのフレーム」と言う。
つまり、「貴方はこういう人」と言うレッテルを貼り付けて、相手の行動を変えようとする。
貼り付けられた方は、それを、相手の自分に対する認識であったり、期待であったりと受け止めるから、その期待を裏切るまいと行動をする。

だから、『いつもキレイに〜』はなかなか練られた戦略な訳である。
そして、良いレッテルを貼るとだんだん良い人になる。また、悪いレッテルを貼るとだんだん悪い人になるから注意が必要。
と言うのも、僕らは感情に任せて、結構悪いレッテルを貼っているから。

例えば、いつもテレビやゲームを見て遊んでいる我が子に対して、「ちっとも家のことを手伝わない怠けもの」とつい口にしていないだろうか。
怠けものになって欲しくないの思いで言っているのに、『怠けもの』のレッテルを貼られた子供は、だんだんそのイメージが心にまで侵食して、本当に無気力な人間になるから恐ろしい。
逆に、少しの手伝いででも『いつも手伝ってくれる優しい子』のレッテルに変えれば、親の期待を裏切るまいと、だんだんと手伝うように変わっていくはず。
これは、自分の子供の頃の体験が証明している。間違いない。

■妻を褒める、自分を褒める

いつも奥さんにキレイでいて欲しかったら、「可愛いね。」「綺麗だね。」を照れずに口に出して伝える。
だいたい家の中で、お互い突き出た腹や、スッピンの顔を見せあっているのだし、シュッとした姿はお互い他所行き用である。
なんだかなあ、と思っている配偶者でも、たまたま外で見かけると、「え〜っ」と惚れ直す。
自分の配偶者より風采の上がらぬ相手でも、外面のシュッとしたところばかり見ていると、ついついフラフラもする。おそらくこれが不倫の発生原因である。
だから、ずっと恋していたければ結婚するな、と言うこと。

しかし、好いて恋したんだもの、少しでも長く一緒にいたいと、籍をいれるのは当然の成り行きである。
だったら、10年後も、20年後もずっと奥さんに恋をしていたいし、ときめいてもいたい。
「そんなテレビドラマみたいなことが現実にあるか」と思うが、そこはグッと堪えて「可愛いね、キレイだね」といい続ける。
なんだかなあ、と思っても、それが表に出ないように、綺麗な姿に脳内変換をする。
それは、奥さんに「キレイな妻」と言うレッテルを貼ることになるから、やがて、そのレッテル通り見違えるように変わるはず。
ただし、これはまだ、実証前。

あと、自分自身にも良いレッテルを貼ってみよう。
僕らは、常に人から囲まれて、ワイワイやって貰わないと、すぐ自分を卑下し始める。
芸能人なんか見ていても、よく分かる。とにかく、エンドロールの出演者の名前の順番一つ、テレビ番組の収録での席次一つまで神経を尖らせる。
それだけ、人の評価が気になる。
しかし、それはお互い様で、自分のことで精一杯なのだから、用事がない人のことまで気を使っていられない。

でも、そうすると、どうせ自分なんか要らない子なんだ、といじけ始める。影響力のある人間の場合、周りに実害すら発生する。
だったら、そんなネガティヴなところに留まっていないで、自分でポジティブなレッテルを貼ってみる。
「頼られてる」
「大切に思われている」
「頑張っている」
そして、そんな自分で貼り付けたレッテルに恥じないように活動をする。
レッテル通りの自分になる。
人は変えられないけど、自分は変えられる。
人に期待するより、自分から変わってゆく。
そんなレッテルの使い方があってもよい。