今日学んだこと

分かっていることは書かない。分かっていないから書いて学ぶ。だから「今日学んだこと」なのです。

リフレーミング

(写真:熱田、夕焼け)

参考:ダニエル・ピンク 『人を動かす、新たな三原則』より

■フレームを変える

リフレーミング、つまり、フレームを変えること。
フレームとは、物事の解釈、捉え方、見方を意味する。
同じ事象にしても、見方が変われば、ひどく陳腐にも、魅力的にも、落胆をさせるものにも、喜びを喚起させるものにも変わる。

端的な例として、こんな事例が挙げられていた。

雇い主が、まだ年若い従業員の将来を案じて、給料のうち幾らかを貯金させようと考えた。
「君たち、給料のうち2割を貯金しなさい。」
すると、「え〜、無理です。」と、誰一人応じるものはいなかった。
そこで、雇い主は少し考えて、「ならば、給料の8割で生活しなさい。」と言い変えた。
すると、全員「それならできそうです。」と応じたと言う。

また、医師が患者に、「この病気は死亡率が10%です。」と伝えたら、患者はショックの余り、却って病気が重くなる 。
しかし、「大丈夫、90%が助かるのですから、頑張りましょう。」と伝えれば、患者も勇気を持って治療に向き合うだろう。

このように解釈一つで、気持ちや行動を変えることをリフレーミングと呼ぶ。

■有名な実験

よくyoutubeにアップされている有名な動画なので、一度くらいは目にしたことがあるかも知れない。

〜・〜

ある街かどに、一人の物乞いが座り、道行く人に施しを乞うていました。

施しを入れて貰うように用意した粗末な小箱の側には、段ボールに書きなぐったメッセージ、「私は、目が見えないので働けません。どうか私を助けてください。」
そう、彼は盲目の物乞いだったのです。

しかし、彼の懇願は虚しく、何時間座り続けても、僅か数セントの施ししか受けることができませんでした。

そこへ、大学生らしき二人連れの女性が通りかかります。
そして、そのうち一人が、何を思ったか、物乞いに近づき、彼のメッセージが書かれている段ボールを取り上げます。
そして、おもむろに、ポケットからマジックを取り出して、段ボールの裏側に何かを書き込みました。
彼女は、自分が書いた面を表にして、物乞いの前に据え直すと、「グッド ラック」と声をかけて、その場を離れてゆきました。

物乞いは、何が何だか分からずに、呆気に取られるばかりでしたが、次の瞬間、彼女のかけた魔法が効果を表し始めたのです。

やがて、道行く人たちのうち、多くが物乞いの前に足を止め始めました。
そして、財布を取り出して、1ドル、時には10ドル紙幣を、どんどん小箱に入れていきました。
たちまち、小箱は紙幣であふれ返り、物乞いは、彼女がどんな魔法を使ってくれたのか、と感謝に震えるのでした。

彼女が使った魔法、それは物乞いに書いて与えた、一言のメッセージ。
「今、季節は春なのに、わたしの目は見えません。」

■自分と人を幸せにする処方箋

これは、かなりドラマチックに演出されているが、もとは広告関係の研究者の実験の成果である。
リフレーミング、つまり人々の認識を変える効果を、物乞いと言うシチュエーションで試したのである。

確かに、世の中を見渡してみれば、このリフレーミングの効果は至るところに応用されている。

価格一つ取ってみても、高い価格が競争力を削ぐこともあれば、高い価格だから、差別化を生むこともある。
ハイグレードな高級車や、高級旅館、レストランがその典型だろう。
普通の生活者に訴求した場合は、まず選んで貰えなくても、エグゼクティブや富裕層、あるいは、親孝行旅行やプロポーズのシチュエーションでは、高価格帯の方が訴求力は強い。
これも、フレームチェンジの効果である。

また、このリフレーミングは、自分の人生に対しても良い影響を与えられる。

例えば、一生うだつの上がらないツマラン人生と思うか、あるいは家族との時間をたくさん持てた幸せな人生と思うか。
人のこころない一言で悩むか、あるいは、他人を傷つける人を目の当たりにして、自分がそのような悪い種まきをしないように注意して貰えたと感謝するか。
若い頃から病気を抱えて、人生を恨み呪うか、あるいは一病を抱えているから、いつも身体に気をつけ、医者にも細かくケアして貰える、一病息災だと感謝するか。

思えば、このリフレーミングで解決することは、もの凄く多い。
もちろんこれで解決しないことも多いが、まずは自分と人を幸せにする処方箋として試す価値はありそうである。