一言ピッチ
(写真:ひるがの)
参考:ダニエル・ピンク 『人を動かす、新たな三原則』より
■プラスイスレス、と言えば
「検索」と言えば?
「プライスレス」と言えば?
何が頭に浮かぶ?
そう。
「検索」と言えば、グーグル。
「プライスレス」と言えば、マスターカード。
たった一言で、企業がイメージできる。
普通は、ワードを重ねて、僕らの脳内でイメージの特定をしやすくする。
例えば、「ハイブリッド」と聞くと、トヨタやホンダが思い浮かぶ。
そこを更に「プリウス」までイメージさせようと思うと、「トヨタの」とか「世界初」とか、言葉を重ねなくてはならない。
それが、「ハイブリッド」と聞いて、すぐ「プリウス」と結びつくのためには、ハイブリッド市場において、他に車がないくらいの存在感が必要。
一時期、ランドクルーザーのことを、みんな「ジープ」と呼んでいた。
どこのメーカーのランクルでもジープと呼んで、「あれは、特定のメーカーの、特定の車種だけを言うのだよ」と訂正されて驚いたものである。
そして、よくN○Kで、「シーチキン」を連発して問題になる人がいるが、あれも「シーチキン」が商品名だと知らないから。
特定の商品名が、そのもの自体の代名詞になっている。だから、他社メーカーの製品を指して「このシーチキン安い」なんておかしなことになる、
■短さ、シンプルさのインパクト
「ジープ」は商品名自体が一言のインパクトを持った例だが、「検索」や「プライスレス」は商品名ではない。
それは、行為であり、属性である。
汎用的な言葉で、そのものを表せれば、消費者に与えるインパクトは大きいし、また、摺り込みにもなる。
不特定多数の人を相手にする時に、この一言のインパクトを与えるには、かなりの実績と、周到なプロモーションが必要だろう。
しかし、特定の人相手なら、一言のインパクトを自分でコントロールすることができる。
前、大手Saasサービスのウェブプロモーションを見た時、最後に「必要なのは『アイディア』です」と締めくくられていた。
誰でも簡単に、安く、システムを構築して使用できる、その価値を、『アイディア』と言う一言に集約していた。
このプロモーションは、この一言のおかげで今でも心に残っている。
■一言ピッチ
たった一言、あるいは、可能な限り短かくて、シンプルな単語にメッセージを込める。
そして、相手の関心を喚起し、共感を生む、これが「一言ピッチ」である。
自分が伝えようとするメッセージを一言のメッセージに込めてみる。
例えば、こんなのはどうだろう。
地球温暖化
「未来」
温暖化の問題は、子供たちの未来の問題だから。
戦争反対
「笑顔」
Facebookの友だちも、国家間の戦争では敵になります。自分に向けられたあの笑顔に向かって引き金を引けますか、と言うメッセージ。
海洋保護
「恵み」
命と恵みのもとである海を汚せば、自分たちの命と恵みが絶たれる。
ハイブリッド車
「再生」
ガソリンの燃焼エネルギーで生み出された運動エネルギーを、電気エネルギーに変えて、エネルギー再生をしながら走ると言うメッセージ。
やはり、即席ではたかが知れている。しかし、今後有効なツールとして使えるよう磨きたい。