今日学んだこと

生きることは学ぶこと。オレの雑食日記帳。

押韻型ピッチ

(写真:清々しき朝に)

参考:ダニエル・ピンク 『人を動かす、新たな三原則』より

■ゴミない チリない ご町内

今からもう30年も昔、糸井重里氏が脚光を浴びて、コピーライティングと言う仕事があることを知った。
そして、パンフ1枚目のキャッチコピーなどを、よく気にして見ていた。

そんなおり、何気なく見た街角の清掃標語。
「ゴミない チリない ご町内」
「ない」で、うまく韻を踏んである。
おそらくプロの作ったものではないだろう。技法のうまさは感じるものの、さほどインパクトがある訳でない。

ただ、驚くべきは、30年後も頭に消えずに残っていて、スラスラと出てくる。
世の中に、いろんなキャッチコピーや、標語は溢れ出ているが、ここまで記憶の中で風化しなかったものは、稀だろう。

■押韻型ピッチ

これを「押韻型ピッチ」と言う。
韻を踏んで伝えると、より聞く人の心に届きやすくなるのである。

「ない」三揃えの標語は、この押韻で、深く自分の記憶に食い込んでいる。
また、上手く韻を踏んであるので、聞いた人の口にも上りやすい。

この手法は最近のジャパニーズラップでも、よく耳にする。
「彼女は 信条 切り口上」とか、
「無茶振り 土砂降り 死んだふり」とか。
ラップはリズムラインに頼らず、テンポで聞かせるので、押韻とはよく馴染む。そして、この押韻のテンポがとても心地よく響く。
ラップのみならず、僕らの脳みそは、押韻を聞くと、思考が円滑になるそうだ。好もしいものとして受け入れて、結果、心に残りやすくなる。

■押韻の実践

「押韻型ピッチ」を適切に使って、もっと相手の心に響けば有難い。

歌の文句なら、
「私はまだ、あなたのことが好き」が、
「アイ・スティル・アイしてる」。

ソフトウェアのキャッチコピーなら、
「最新のソフトウェアを、革命的価格でお届け」が、
「最新ソリューション、価格エボリューション」とか。

地球温暖化対策なら、
「地球のためにストップ温暖化」が、
「クール・ハウスより、クール・アース」とか。

下手の横好きもこの程度にしておかないと怒られそうである。
しかし、下手なりに伝わるものはあっただろうか。
機会があれば、批評して欲しい。