今日学んだこと

分かっていることは書かない。分かっていないから書いて学ぶ。だから「今日学んだこと」なのです。

最後に間違わなければそれで良い

(写真:西陽 その2)

《嫌なヤツ、ジョブズ》

アップルの創業者にして、マッキントッシュを世に送り出した人。
そして、iPhoneで世界を変えた人、IT界の巨人、スティーブ・ジョブズ。
まだ、56歳の若さで癌に倒れ、彼は僕らの伝説になった。

でも、実はスティーブ、とっても嫌な奴ヤツだったとか。
だいたい一度、アップルから追放されたのだって、あまりに完璧主義の強引な経営でアップルが大混乱したから。
ジョブズと一緒にマッキントッシュを作っていたジェフ・ラスキンが彼のことをこう語っている。

『他人の脳みそを盗むのはジョブズにとって普通のやり方さ。まず人のアイデアを鼻であしらっておいて、その1週間後には、素晴らしいアイデアを思いついたなんていいながら戻ってくる。そのアイデアというのは、もちろん1週間前に誰かがジョブズに話したアイデアなんだ。我々はジョブズのことを現実歪曲空間と呼んでいたのさ。』

簡単に言えば、ジョブズは高慢野郎で、周りを馬鹿扱いしてる癖に、後からその馬鹿にしたアイディアをさも自分が思いついたかのように吹聴して回る節操なし。
特に僕ら日本人が嫌いなタイプ、トレンディドラマで最後にボコボコにされるお約束キャラだよね。

《ジョブズの理屈》

ただ、ジョブズには、ジョブズなりの理屈があって、「別に社外のアイディアを盗用した訳じゃないし、最後に間違わなければそれでいいじゃないか。」だそうだ。

ジョブズの目はずっと顧客やライバル企業、つまり会社の外に向いているんだろうな。
アイディアも技術も、外に出す時に間違わなければ良いのであって、それまでは、どんなに社内で大揉めに揉めて、右や左にブレようが大したことじゃない。それに、社内で意見をぶつけ合った方が良いものに仕上がるじゃないか。
それなのに、研究者肌の連中は、俺のアイディアだ、俺の企画だと、自分のことばかり言ってケツの穴の小さいこと。
・・・なんて、ところじゃないかな。

まあ、それでも社員からすれば、かなり嫌な上司であることは間違いないんだけど、ある意味、突き抜けているし、他の皆んなより広い世界が見えていたんだと思う。

《それでも勇気があるよな》

ドラマ『臨場』では、検視官の主人公 倉石が「俺のとは違うなあ」の決め台詞で、刑事たちの見立てを悉くひっくり返してしまう。
おかげで刑事課の面々は面目を潰されて対立するのだけど、いつも都合よく倉石の見立てに間違いはない。

部下たちは、「倉石さんは決してブレない」と絶大な信頼を寄せているが、それは倉石が絶対間違わないという前提があるから。
もし間違っても、ブレたくないからと、我を通したらただの馬鹿。

でも、現実には、絶対間違わないということはありえない。
どんな優秀な経営者でも、10のうち半分は間違える。
ならば、多少蛇行して進むことを織り込み済みの方が現実的じゃないのか。
確かに、日本人はブレることを嫌う。終始一貫することを美徳とするけど、そんな最後まで見通せるようなことならワザワザ挑戦する必要もない。

挑戦の度合いが多くなるほど、進みながらの調整も多くなるし、ブレることも多くなる。後は、決してこれ以降ブレてはいけないデッドラインを明確にしておく。

ただ、それでも、一度ハッキリ断言したことを覆して方向転換するには勇気がいる。
普通の人間は、そこでブレていると言われるのが嫌で、無理に辻褄を合わせようとするからおかしなことになっちゃう。
そう考えると、スティーブ・ジョブズは嫌なヤツだけれど、最後に正しいことをするためなら、人の評価なんか気にしない、なかなか大した嫌なヤツだった訳だね。