叱られ上手
これは、昔保育士を勤めていた人から聞いた話です。
保育士仲間と仕事の悩みを語り合っていた時、話が注意を受けたことに及びました。
「叱られた時、なかなか素直に聞けないよね。」
「そうだよね。」
すると、そこの責任者の人がたまたま通りかかって、
「完璧な自分と思っている方が間違い。むしろ叱られるような自分が本当の姿なんだよ。」と教えられたそうです。
かなり上の人だったので、本当にビックリしたと言っていました。
注意を受ける、叱られる。
もちろん、そんな自分だから叱られるのは仕方ないですけど。
でも、やっぱり叱られるのは嫌だなあ。
《叱られるのが普通》
「何もあんな言い方しなくてもさあ。」
「だよねえ。」
叱られた後、二人でヒソヒソやっているよくあるシチュエーションです。
ー・ー
でも、その人は間違ったことは言ってないでしょ。
「そりゃ、そうですけど。」
なら、怒られるような種まきをしていたのは自分の方だよね。
むしろ、自覚がある分、いつ叱られるかと、ビクビクしていたでしょ。
「い、言いにくいこと、言いますね。でも、その通りです。」
でも、実際に叱られたら腹が立ってしょうがないんだ。
「だって、言い方ってもんがあるじゃないですか。」
まあ、今はそれは置いておいて。
じゃあ、あのまま叱られなかっらどうなっていた?
「えっ?」
もし、あのまま叱られなかったら、いつ怒られるか心配でずっとビクビクしなければならなかったでしょ。
もっと最悪なのは、叱られないことに慣れて、おかしなことをやっていても当たり前になることです。
そうしたら、後からくるしっぺ返しは相当ひどいことになりますよ。
「ですよね。」
ですから、早いうちに叱られるのは、むしろ良いことなんです。
《叱られる幸せ》
それに、キチンと叱られることはとても幸せなことなんですよ。
「それって、少しMっぽくないですか?」
まあ、そう言わずに。
じゃあ、貴方が人に強く言うのはどんな時ですか?
「そりゃ、腹立った時とか。」
ですよね。
私たちは、相手がおかしなことをしていても自分に累が及ばなければ知らんぷりをしています。
でも、自分に都合が悪くなったら、たちまち感情をあらわにして怒るじゃないですか。
それは、注意でもなければ、叱っていることにもなりませんよね。
「ごもっとも。」
そんな人ばかりの中、キチンと私たちと向き合って叱ってくれるのは凄い人なんです。
そして、そう言う人に指導して貰っている貴方はとても幸せな人です。
「はい、反省します。」
でも、私も同じですから、一緒に反省しましょう。