今日学んだこと

分かっていることは書かない。分かっていないから書いて学ぶ。だから「今日学んだこと」なのです。

あっさり承認されるものには価値がない

(写真:昼下りの木々 その3)

《金を出す方だって命がけ》

「ビジネスを行うための出資をお願いします。」

銀行や、ベンチャーキャピタル、投資ファンドに、事業の出資を依頼する話をよく聞きます。
その時には、事業計画を提出して、そのビジネスが成功する確証について説明をしなければなりません。

対して、出資側も真剣です。彼らは、有望な出資先に投資して、そのビジネスが成功すれば、出資金が何倍にもなってかえってきます。
その差益が利益なのですから、どんなに社会貢献しようが、世の中を変えるビジネスだろうが、収益が上がるか、上がらないかの一点が全てです。

自信満々のビジネスプランのはずが、プロの目から見れば穴だらけで、散々叩かれ、泣かされて帰されます。
これは社外だけでなく、社内も同じで、上からは「いつまでも同じことをやっていてはいけない。どんどん挑戦しなさい。」とハッパをかけられるも、いきおい込んで提出したビジネスプランは、やはり厳しい審査に晒されます。

「そもそもそれは必要か?」
「なぜ、それが必要か?」
「無ければ何が問題なのか?」
これらの問いかけは、プランを通す時の第一関門です。
まず、これに納得感のある説明ができなければ先に進めません。
しかし、自分の思いが先行したプランは、ともすればこの問いに対する回答が脆弱で、結果的に第一関門すら突破することができず、死屍累々と企画倒れのプランが積み上がります。

それくらい、お金を出す方は命がけですから、出資を頼む側も相当気を引き締めて臨まなくてはなりません。

《頭を削って帽子に合わせる》

出資を受けやすくする一つの手段として、プランを見直す方法があります。
例えば、規模を縮小して出資額を抑えることでプランを通しやすくしたり、あるいは、世の中にすでにあるモデルを真似して、比較して理解を得られるようにしたり。
「すでにあるビジネスモデルで、これだけ利益がでているのだから、自分のプランでもこの利益までは確保可能です。」

しかし、プランを通すことを優先する余り、本来の趣旨から外れては本末転倒です。
新しい事業領域を目指すはずが、利益確保を優先して、既存と大差ないビジネスモデルに落ち着いたり、いままで世の中にあるモデルのコピーをして、短期間の利益だけで満足していたり、とか。
頭のサイズに合わせて帽子を作るはずが、合う帽子がないからと、頭を削る人間はいないでしょう。
同じように、厳しい審査を通すためにプランを変更して、事業が本来目指すところまで失われては残念です。

《何度も叩かれるからこその価値》

第一関門でダメ出しがでると、もう出資者の興味が失われてしまい、どんなに修正案を提出しても門前払いを受けます。
ですから、第一関門くらいは突破できるよう準備をせねばなりません。

その上で、本当に価値のあるビジネスプランは、あっさりと承認されることはないと、肝に銘じたいと思います。
なぜなら、誰でも簡単にできることならば、すでに誰かが始めて成果を出しています。
簡単にはいかないからこそ、自分にも挑戦の機会があったのであり、上手くいかない要因を挙げ始めたら山ほど出て来ます。
そして、おそらく出資者はそれ以上に厳しく指摘を行うでしょう。

その問題の一つ一つを解決して、前進するからこそ、そのビジネスプランをする自分に価値があるのであり、出資者にも納得感があります。
よく「ピンチはチャンス」と言われますが、壁を壁と見てひるんでしまうか、あるいは新しいステージに続くステップと見るかによって意識が変わります。

私は、「次世代に任せなさい」と言う周りの声に甘えて、挑戦を怠ってきたのではないかと反省しています。
価値のあることには、困難はつきものですし、周りや出資者からの指摘も厳しく受けます。
しかし、そうして磨かれたモデルこそ、世の中に真の価値をもたらすのだと信じて頑張りたいと思います。