今日学んだこと

生きることは学ぶこと。オレの雑食日記帳。

人前が強い人、一人が強い人

(写真:昼下りの木々 その2)

《人前が強い人、一人が強い人》

人前が強い人とは、一言で言えば、コミュニケーション能力の高い人です。
彼は自分の主張したいことを、分かりやすく伝えることに長けています。
自分の中で話の流れや論点が整理されていて、また、相手に応じて情報をセーブすることも忘れません。
きちんと自分の言いたいことを、納得感を持って聞いて貰えるので、人を動かす仕事に向いています。

かたや、一人が強い人は、豊富な知識や、自由な発想が強みです。自分の中では、きちんとそれらの情報が整理できていて、高度な論理を組み立てることができます。
ただ、それをそのまま伝えようとすると、相手は大抵の場合、混乱し拒絶反応を示します。
人前で喋ることには向きませんが、ある程度完成したアウトプットでなら、高い評価を得ることができます。

《それぞれの特性》

言わずと知れた前者は、営業、またはリーダー向きの人材であり、後者は技術、研究職向きの人材です。

しかし、どんな凄いことでも、まずはそれを分かりやすく伝えられてこそ、高い評価が得られると言うのが昨今の傾向のようです。
確かに、マイケル・サンデル教授のように教育者として、非常に高いコミュニケーションスキルやプレゼンスキルを持った人が評価されていますね。

後者の学究型の人材は、自分の中で複雑な論理を組み立てられるのが強みである反面、その複雑さ故に、それを人に伝えるのは不得手です。一生懸命説明しようとしても、斜め横のたすき掛けの論理や、三段跳びの超論理などを頭の中で駆使しているので、その調子で喋られた日には回りはビックリします。
結局、頭はよいけど、何を言っているかよく分からない人と烙印が押されて敬遠されます。
自分ではよく分かっでいることが、人には伝わらないのは、さぞや悔しいでしょうね。

《職制とリスペクト》

もちろん、難しいことを分かりやすく伝えられてこそ本当のプロです。

しかし、学究的な人材にコミュニケーション能力期待することは、脳の回転速度を落とせと言うに等しいのかも知れません。でなければ、人に合わせることはできないでしょう。
そして、その分彼が試験研究に集中していたら上げられたはずの、高い成果が失われる可能性もあります。

確かに、昨今のスピード重視、規模重視の流れの中では、一人で完結できない仕事の割合が増え、業績を左右する要因として、人脈や部署間の連携と言ったコミュニケーションが必要になっているのは事実です。
しかし、その流れで、コミュニケーション下手な学究的な人材を排除するたいへんな損失です。
現にグーグルは、社員の自主性を重んじて、学究的な人材の価値を認めているから、独自で先進的な取り組みができているのでしょう。
ゆえに、コミュニケーションが得意な営業マン的な人材と、一人が強い学究的な人材、そのどちらかに評価を偏らせるのでなく、お互いの特性を認めて活かしてこそ、企業は強くなると思うのですが、いかがでしょうか。