今日学んだこと

生きることは学ぶこと。オレの雑食日記帳。

真のマネジメントと真のサポート

(写真:岡山、アンパンマンと出会う旅)

《先導型と調整型》

私から見ていると、リーダーには二つのタイプがあるようです。

一つには、先導タイプ。
自ら、どんどん先頭に立って、「どうや、オレみたいにやったら上手くいくんや」と手本を見せてグイグイ引っ張るタイプ。

二つには、調整タイプ。
上手く皆んなの能力を引き出して、フォローしあって結果を出すことを目指します。
オレが、オレがと特定の誰かが先導するのでなく、一人一人が一番力を発揮して、全体で成果を上げられるように調整するリーダーです。

アフリカの諺風に言えば、「早く行きたければ一人で行け、遠くまで行きたければ皆んなで行け」となります。

先導型のリーダーは、一人の突出したリーダーが引っ張るので、周りの納得感も高く、ハッパをかけられれば、そのリーダーの後をついて、皆んな割と容易に走り始めます。
「早く行きたければ一人で行け」です。
しかし、あくまで、そのリーダーの能力が基準なので、リーダーの限界が、そのまま組織の限界となります。
短期で成果を上げることはできますが、長期間成長を続けるには無理があります。

反対に、全員体制でベストパフォーマンスを目指す組織は、経験上そんなに簡単には出来上がりません。
一人一人が最大限力を発揮するには、メンバー各員が自立的、かつ能動的に動かねばなりません。しかし実際のところ、私たちは結果の責任を上司に預けて、指示を待って動くことに慣れています。
また、自分の得意なことで突出すれば、人のフォローに時間が取られるよりは個人的な成果を求めたくなります。そのため、ますます協調型の組織は作りづらくなります。
しかし、一旦、この協調型組織を仕組みに落とし込めれば、持続的な成長が見込めるので、「遠くまで行きたければ皆んなで行け」となります。

《弱さを見せられる強さ》

場合によりますが、調整型のリーダーによる協調型組織は大切だと思います。しかし、現実にはなかなか難しいようです。

調整型リーダーの場合、メンバーを表に立てて、自分は一歩引かねばなりません。しかし、それはなかなかできることではありません。
たとえば、技術系のリーダーの場合、人以上のスキルを認められて抜擢されています。
つまり、自分のリーダーとしての存在意義は高いスキルにあるので、なめられたくない思いで、ついつい部下と張り合ってしまいます。
すると、部下からすれば頭一つ抑えられている格好になって、十分力を発揮できません。

逆に、部下にとって力を発揮し易い組織とは、上司が素直に自分の弱さを認めているチームです。
いかに優れた上司でも、すべてを人より完璧にこなすことは不可能です。
そんな時に「基盤の設計は苦手だから助けてくれよ」と、リスペクトの気持ちと、部下に期待している成果をキチンと伝えれば、部下は弱さをさらけ出してくれた上司に親近感を感じ、また自分に対するリスペクトに喜びを感じるでしょう。成果の中身も明確で、自分のスキルや経験の中でキチンと期待に応えられるか判断できて安心もします。

しかし、弱さをさらけ出すのは、簡単に見えて、なかなか難しいことです。ひょっとして、相手に舐められるかも知れない、そんな怖さを乗り越える強さが必要だからです。

《真のマネジメントと真のサポート》

「真のマネジメントは自分の弱さを知るところから始まり、真のサポートは上司の弱さを知るところから始まる。」
これは、私が勝手に作った自戒文です。

上司は、自分の弱さを認め、そこをフォローしてもらう必要性を知る。
すると、部下に対して、自分の指示を実行してもらう相手でなく、自分の足らないところを補って貰う相手として接するようになる。
そうしたら、部下の持っているスキルへの評価も変わるでしょう。
自分の弱さをさらけ出していないうちは、部下のスキルは自分のスキルに対して競合でしかありません。しかし、弱さを認めた時から、そのスキルは自分を助けてくれる強い味方になります。
そこから、本当のマネジメントが始まるのです。

また、部下の立場から言えば、上司の弱さを受け入れた時から、サポートの仕方が変わります。
いつも、ガミガミと自分の至らないことばかり責めている上司に対してはハッキリ言って粗探しの心しかでてきません。
でも、自分の弱さを認め、特定の分野あっても自分のスキルを認めて、さらに先の世界に押し出してくれる上司には力を貸したくなります。
それよりも、上司が素直に不完全な人間であると認めたことにより、部下自身もしっかり自分で考えて動かなくてはならないという自覚が生まれます。

もっとも以上は、キチンと人間関係ができている中での理想論ですが、まずは自分が後輩と張り合うのでなく、優秀な人には素直に道を譲ることができる強さを身につけたいと思います。