今日学んだこと

生きることは学ぶこと。オレの雑食日記帳。

クロージングはプレッシャーを取り除く仕事

(写真:重戦車 その2)

《購入者の気持ち》

購入者の気持ち分かりますか?
そりゃ、分かりますよね。
私たちの人生の半分は購入する立場なのですから。

職場では私たちはお客さんに売る立場ですが、一歩事務所を離れたら買う立場に大転換です。

コンビニでお酒やつまみを買うのも、雑誌や本を買うのも、携帯電話に毎月お金を払うのだって、私たちの購買行動です。

では、質問です。
皆さんが、購入者として一番腹が立って、後悔するのはどんな時ですか?

そう、言うまでもありませんね。それは「商品の中身が払ったお金に見合わなかった時です。」

私の経験で言えば、昔のパーキングの食事は非常に貧相で、500円も払ったラーメンが、ブラスチック容器で、しかも量も少ししか入っていなかった時、非常に腹が立ちました。しかも、他にまともに食べられるものがなかったのですから仕方ありません。

すき家の牛丼290円なら割と気心が知れた仲ですが、この間誘われて1000円のランチを食べました。正直、「ランチ1000円高くない?」と思っていたので、内容が貧相だったらへこむなあと心配したのですが、値段相応の内容でまずまずと言ったところでした。
(しかし、カロリーの摂り過ぎで翌日1キロも太ったのにはへこみました。)

つまり、私たちが、購入をする時の関心は、偏えに「後悔するか、しないか」なのです。

《営業マンの仕事》

ましてや、それが割と値段の高いものだったら、どうでしょう。
例えば、車、例えば家。
買った後、絶対に後悔したくないですよね。
間違いない判断をしたいので、買うときにはプレッシャーがかかります。
なぜなら、家で失敗したら、おいそれとは買い替えられませんから、一生後悔しなければなりません。

売る方も、そんな私たちのプレッシャーを軽減しようと必死です。
まず、広告でよくある「利用者の喜びの声」。たまに、有名人が「私も推薦します」ってやっていますが、あれは誰も信用していません。むしろ同じ悩みを抱えている、同じ立場の人の声の方が参考になります。
高額な健康食品や美容器具の広告でよく見かけますし、アマゾンのレビューでの星の数もその類と言えるでしょう。

また、健康食品などでは、よく無料サンプルを配っています。これは、実際に使ってみて自分で判断してください、と言うことです。
住宅のモデルルーム、そして自動車の試乗も、要は購入した後の体験を先取りさせている訳です。
確かに、カタログの綺麗な写真や、あるいはまことしやかな効能書きより、実地に試せれば安心感が増します。

しかし、最後契約を決める段階では、結局購入者自身が判断しなければなりません。しかもその責任は自分持ちです。なぜなら、余程虚偽の記載がない限りは、購入後に発生した不満で契約の取り消しをするのは、なかなか大変だからです。
一応、訪問販売ならクーリングオフ、私たちIT業界ならば検収と、支払い確定までの猶予期間は設けられていますが、長い間使って分かる不具合まではとても見通せません。
また、故障した時にキチンとメンテナンスも受けられなくては困ります。

そして、その不安解消は目の前の営業マンだけが頼りです。

《Actionの決め手》

一般には、私たちが購入にいたるプロセスをAIDMAと表されます。

Attention(注意)
Interrest(興味・関心)
Desire(欲求)
Memory(記憶)
Action(行動・購入)

あれっ!なんだろう?
面白いな!
欲しいな!
よし、お金を工面して買おう
そして、購入に至る
・・・と言うことです。

その中で、AIDMまでは商品力や会社でのプロモーションが大きく関与します。
しかし、同じ会社の中でも、人によって売上に差がでます。同じカタログで、同じ商品を売っているのに、です。
それは、最後のActionの差と言えるでしょう。

私もよくお客様から言われるのは、「あんたが、そこまで言うなら仕方ないなあ。」の一言です。
「売った以上は、あんたが最後まで責任を持って世話をしてくれるんだろう?」であったり、「何のかんのと、いつもなんとかしてくれているから、任せようと言う心になるんだよ。」と、声なき声が聞こえてきます。

購入という行為は、期待以上に、不安やプレッシャーを感じるものです。そして、営業の仕事はそのプレッシャーを取り除くことと言えます。
それ故、売り買いの場だけでなく、日頃からのお客様と関係構築ができていること、それが、最後購入者のActionの決め手になるのでしょうね。