今日学んだこと

分かっていることは書かない。分かっていないから書いて学ぶ。だから「今日学んだこと」なのです。

目線の違い

(写真:英国庭園風)

《レンガを運ぶ人》

昔から、レンガを運ぶ人には3通りいると言われます。

一、レンガを運ぶのを、作業と思ってする人

朝から晩まで、レンガを運んで、決まった日当を貰うためだけに働いている人です。彼のモチベーションは、仕事が終わって馴染みの酒場で一杯やることでしょう。

二、橋や建物を作るためと思って、レンガを運んでいる人

レンガを手押し車に積んで、びっしょり汗をかきながら往き帰りする。
それでも、毎日少しづつでき上がっていく橋を見ながら、この建設に携わっていることを誇らしく思う。それが、彼のモチベーションです。

三、橋や建物が、地域の大きな発展につながると思ってレンガを運ぶ人

運んだレンガで作っている橋が完成すれば、町と町の交易が盛んになり、地域の人たちが皆んな豊かになる。そんな明るい未来のビジョンが彼のモチベーションです。

《言わば山登りのようなもの》

同じレンガを運ぶ作業にしても、その動機やモチベーションは全く違います。
三人のうち、誰が一番積極的に、また楽しく仕事ができているかは明らかです。もっと言えば、誰が一番先に現場の責任者に抜擢され、大きな仕事を任されるかも分かります。

このように意識の違い、すなわち目線の違いは、仕事のスキルとしても現れます。

これは、ちょうど山登りのようなものです。
麓にいる時は、周り数百メートルの景色しか見えなくても、五合目、八合目と登っていくとどんどん遠くまで景色が開けて来ます。隣の町、さらに隣の町、そして隣の県まで。
そして、頂上に立った時、四方八方までくまなく見ることができます。

山を登るのは、私たちの目線が上がることに当たります。
目線が上がれば、視界が開け、取得できる情報の量が変わります。そして、情報の量とともに、情報の読み方も変わります。
これを会社の営業を例に考えてみると、一担当者の時は、たくさん販売があれば、それをこなすだけで精一杯です。
それが営業課長ならば、たくさん購入してくれる層と、購入が進んでいない層を分けて、購入の多い層は何故たくさん買ってくれるのか、少ない層は何故買ってくれないのかを分析します。そして、購入の多い層をリピーターにする施策を打ち、購入の少ない層を取り込む方法を考えます。
それが営業部長ならば、過去の売り上げの推移を見て、今の商材が売れ始める時期、そしてピーク以降販売が落ち込む時期を読みます。それに合わせて、新製品の市場への投入時期を考え、また開発依頼を他部門に打診します。

《努めて目線を高くしよう》

目の前のことに一生懸命になっていると、ある時、上司から急にこんなことを言われます。
「それで、今回販売が伸びている理由は何か?市場なのか?あるいは、我々の施策が効いたのか?売り上げに寄与した層は何処か?その理由は?」

えっ、今売れてるからいいじゃないですか?今期の数字は間違いなく達成できるから、それでいいでしょ。

いやいや、上の人はそれだけで済ませている訳にはいかないのです。
今は良くても、次に落ち込んでいては正常な企業活動と言えません。
市場が良くて一時的に売れているなら、市場が冷え込んだ後の対策を今から考えておかねばなりませんし、施策が効いて伸びたのなら、今度はその規模を拡張して、さらに強い事業体を作ることができます。

言わば、これが目線の違いで、時に我々は自分や顧客を主語に喋りがちですが、上位の職位の人の主語は市場だったりするので、往々にして話が噛み合いません。
それを理解していないと、いつも上長の投げかけに右往左往することになり、ストレスも抱えます。

そうならないためには、日頃から、目線を一つか二つ上げてものを考える癖をつけておかねばならないと思います。
「お前のようなものが、いつも何を偉そうなことを書いているんだ。」
そう不快になる人もいるかも知れませんが、そう思われるリスクを冒しても投稿を続けるのは、これは自分にとって目線をあげて思考する訓練だからです。

何のスキルも要らず、コストもかけずに、自分のパフォーマンスを劇的に改善する方法は、この目線を上げることです。
上の人の見えている視界を想像して、その思考を心掛けると、きっと山を登ったように見えてくる世界が変わるでしょう。