今日学んだこと

分かっていることは書かない。分かっていないから書いて学ぶ。だから「今日学んだこと」なのです。

力量のバロメーター

(写真:ダンデライオン&ハニービー)

自分でするのと、自分が指示して人にさせるのとでは何倍も難易度が変わってきます。
つまり、自分がやっとやっとこなしている仕事を人に振ったら、まず同じ結果は望めません。

何故でしょうか。
自分がやっとこなせると言うことは、仕事に取り掛かって完遂するまでに、想定外のことがたくさんある状態です。そして、それを都度自分で判断して対応しているのです。
もし、その仕事を人にさせようと思ったら、想定外が皆無になるまで潰しこんで渡す必要があります。それを怠れば、頼まれた人は出された情報だけが全てと勘違いして、文脈に現れていないことは想定もしないでしょう。そのため、せいぜい80パーセントの出来で提出をしてきます。

結果、頼んだ側は厳しくダメ出しをすることになります。
ドキュメントなら、
「見出しを付けて分かりやすく!」
「年配の方が見るんだから、フォントは大きく!」
「この無駄な改行を減らせば、紙が一枚助かるだろう!」
「プリントアウトして保管することまで考えたら、綴じしろが要るだろう!」とか。
しかし、そこまで求められたら、仕事の内容を熟知していない相手は、へこむか、逆に怒り出します。
「え〜っ!なら、最初から、そう言って下さいよ。」
「丸投げしておいて、それはないんじゃないですか?」
すると、こちらも頭に来て、
「もう何年やっているんだ。それくらいのこと、いい加減言われなくても分かるべきじゃないか?」と言い返します。

しかし、つまるところ、どっちもどっち。
自分でもやっとこなしている仕事を投げておいて「後は自分で考えろ」は無責任ですし、「人に振れたの幸いに後は知らぬ存ぜぬを通すつもりなのか」と相手に不審を持たせるかも知れません。
せめて考えうる想定外を可能な限りリスト化して、それでもまだ全て想定しきれていないことを相手に理解して貰う必要があります。
また、依頼された方も情報を出さない相手を責めるのでなく、自分の今後のキャリアを考えて、表面に現れない文脈まで想定するスキルを磨かねばなりません。

さらに、自分がその仕事を熟知すればするほど、仕事の指示は短くて済みます。それは、仕事を完遂するに当たって絶対に外してはならない部分と、相手の裁量に任せても構わない部分の見極めが付くからです。まず、最低限の情報だけを伝えて、後は相手の裁量で行うよう腹を決めて貰えば仕事を開始できます。
また、指示を小出しにして、敢えて冒険させることができるのも、きちんと後始末をする自信があればこそです。
つまり、指示の短さは実力のバロメーターでもあるのです。
しかし、指示を適当にして、「後は自分の責任でやれ」では、単なる丸投げになってしまいます。投げた指示の責任はあくまで自分にあることを忘れてはならないのですから。