今日学んだこと

生きることは学ぶこと。オレの雑食日記帳。

フロントエンドとバックエンド


(写真:朝空)

WEBの世界で、フロントエンドとバックエンドという言葉があります。
また、マーケティングの世界でも、同じ言葉を使うことを最近学びました。

マーケティングの場合は、WEBのそれとはまるきり意味が異なり、フロントエンド商品、バックエンド商品という言い方をします。
バックエンド商品とは、提供側が売りたい本命商品、フロントエンド商品とは、バックエンドまでお客さんを引き寄せるための商品です。撒き餌と表現する人もいます。

分かりやすい例を幾つか挙げて見ます。
酒屋さんで、バックエンド(本命)は夜のお酒と料理です。客単価は3000〜5000円くらい。それに対して、フロントエンド(集客)はお昼のランチです。客単価は600〜800円くらいです。
これは、居酒屋よりランチの方が利用頻度が高いため、昼で集客して味や店の雰囲気を覚えてもらい、さらに割引等のサービスも提供して夜の部を利用して貰おうという思惑からです。

飲食店関係なら、まだあります。マクドナルドの100円マックがフロントエンドで、500円以上するバリューセットがバックエンドです。一人でふらりと訪れる時は100円マックで十分かなと思いますが、実際に店舗を訪れると結局バリューセットの方を頼んでいて、まさに、マックの術中に嵌っています。
また、うどん屋さんのかけ190円や290円もフロントエンド商品です。しかし、美味しそうに並んでいる揚げ物のトッピングや、おにぎりやいなりを見ると、ついつい手が出て、お会計では700円くらいになっています。これが、本命の客単価なのでしょう。

私たちITの世界なら、無料アプリがフロントエンド、その有償版がバックエンドです。
日本でセキュリティソフトと言えば、トレンドマイクロやシトリックスの製品が多く利用されています。
セキュリティソフトは、安全第一、あとインストールして不都合があると困るので、どうしても皆んなが使っているものを選びます。
それに対して、それ以外の知名度が低いメーカーは、無料版を提供して市場への参入を狙います。
例えば、重要頻度の低いパソコンやパーソナル利用のパソコンなど、年額5000円以上支払ってメジャーな製品を利用するのには躊躇しますよね。そんな時、日本では主流でなくても、世界的に名の通ったメーカーが無料のセキュリティソフトを提供しています。たとえば、AVGとか、AVASTとか。
タダだし、世界でユーザーも多いので喜んで使い始めますが、やがてポッアップの総攻撃が始まります。「バソコンを遅くしている理由があるけど解消したい?」「無駄なデータがディスクを圧迫しているけど削除したい?」「今のバージョンはここまでしか守らないけど、アップデートする?」
気になってクリックすると有償版の購入手続き案内が始まり、なかなか巧妙にバックエンドに誘い込まれます。そして、年2〜3000円なら良いかと、購入する人も相当いるでしょう。

そう考えると、世の中に溢れる低価格品も、実はバックエンドに誘うためのフロントエンドが多いようです。
その商魂には感心しますが、自分たちでも十分応用が可能です。
何か、皆さんの役に立って、またバックエンドにも興味を持って貰えるような魅力的なフロントエンドを考えてみたいと思います。