今日学んだこと

生きることは学ぶこと。オレの雑食日記帳。

男前


(写真:ターミナル)

男前と、聞いて何を想像しますか?
いい男、今で言うところの「イケメン」でしょうか。
でも、男前とイケメンは少し違う気がします。

私の定義は、イケメンは見た目だけで条件を満たしますが、男前は見た目より中身を重視する言葉です。
今、男前と聞いて私の頭に浮かぶのは、最近の若手俳優さんよりは、ある程度演技を磨いた中堅以上のベテランの顔です。昔の渡哲也や松田優作、そして高倉健さんなど。
「ああ、確かに男前」と賛同してもらえると思います。

しかし、最近「男前」は、女性にも使うようです。
一時、ハンサムウーマンと言う言葉が流行りました。女性の容姿を持ちながら、男以上に仕事をこなす人のことです。
あるいは、あの人「男前だから」と、さっぱりした性格の女性に対して畏敬の念を持って語られることもあります。

同じ男性の立場から言えば、外の社会では、男はいろいろと考え過ぎるので思い切った行動は取らないものです。ですから、意外に男の方が、男らしさを発揮しづらいように思います。
例えば、社会的なルールを守らない困った人がいて、男性は「困ったやつだなあ」と思いながらも、実際の行動は躊躇します。おそらく、そうするには大義名分が必要なのでしょうね。ところが、男が迷っている間に、女性の方が勇猛果敢にアタックします。もし、暴力沙汰になったら絶対に勝てないのは分かっていてもお構いなしです。もっとも、その時は男性が助けますけど。
でも、例えば、奥さんや、彼女のその勇猛果敢さに「君、男前だったんだ」と思わずポーッとなることがあるかも。

■ショートストーリー■

《志乃さん》

『「ああ、気持ちよかったあ!」
傾きかけた太陽が志乃の顔を黄金に染めて、その姿に数人は胸の疼きを覚えた。
「あの、志乃さん、今日は僕からお礼をしたいんですが、これからお付き合い願えますか?」』

mynovelbank.hatenadiary.jp

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少しもショートではなかったですね。申し訳ありません。

そう言えば、最近、男性に対してあまり「男前」は言わなくなった気がします。
いわゆる男らしさや、女らしさ。
それは性別に対する理想の姿を言うのであって、実態とはまた別です。しかし、かつては、「男らしくない」「女らしくない」と言い合って、その理想に近づこうとしていました。
対して、中性的、あるいはジェンダーレスと言われるこの時代、かつてのようにムキになって、男らしさ、女らしさを競ってはいません。
それに対する一つのアンチテーゼとして、女性に「男前」が冠されたり、男性演じる女形がやたら艶っぽかったりと、互いの異性に対する理想像を示しあっているのでしょうね。
いや、それ以前に、女性とは本来「男前」の生き物なのかも知れませんけど。