今日学んだこと

生きることは学ぶこと。オレの雑食日記帳。

早く行きたければ一人で行け、遠くへ行きたければみんなで行け


(写真:春の休日)

これはアフリカの古いことわざだったと記憶しています。

急いで何処かに行かなければならない時、同行者を集めていたら出発が遅くなります。道程でも、いろんなペースの人がいますから、遅い人に合わせていたら、ますます到着が遅れます。
そんな時は、何をおいてもまずは一人で走り出します。

しかし、行かなければならない場所がサバンナを横切って一カ月もかかる所ならどうでしょうか。
水や食料の備えも要ります。途中で調達するにしても、そのための道具を持参しなければなりません。煮炊き用の道具も要るでしょう。
サバンナでは危険動物に会うかもしれません。あるいは、他部族とのイザコザに巻き込まれるかも知れません。そんな時、一人では心細いですよね。
もし、途中で病気や怪我に倒れたらどうなるか。ひとりぼっちなら、そのまま死なねばなりません。
ですから、遠くまで行こうと思ったら、人を募って皆んなで行くのです。食料や道具を持ちあって、危険動物や薬の知識のある人も同行して貰えれば安心です。
目的地に着くのはかなり遅れますが、ずっと遠くまで行くことができます。

時折、私に「独立したらどう?もう一人でもやれるだろう。」とからかう人がいます。
確かに、営業も開発も経験しているので、大きなことを考えなければ自営も可能でしょう。あまり儲からないでしょうが、自分の食い扶持くらいなら、なんとかなるかも知れません。

実際、世の中には組織の中で閉塞感を覚えて、独立起業する人はたくさんあります。その多くの人が数年内に夢破れているのは別として、彼らは「早く行きたかった人」なのだと思います。

「凄いですね。御自身で商売をされて。」
「どんでもない、組織の中でちゃんとやっている貴方の方が立派ですよ。要は、組織で生きるスキルが乏しかったということです。」
友だちの起業家との会話です。
本人は謙遜されていますが、自分が理想とする仕事の形を追及した結果、周りとズレが生じて、結局一人で行く道を決断したのです。

側から見れば、自分も組織に馴染まないタイプなので、親切に「一人でやったら」と勧めてくれるのでしょうが、自分にはまだ「遠くへ行きたい」という思いがあります。
会社組織の方がより大きなことができますし、何より多くの人にサービスを提供することができます。
もし、自分がもの凄く画期的で質の良い仕事ができたとしても、ひとりぼっちなら、三河の片隅のお客さんに提供するだけで精一杯です。
会社なら日本全国が相手ですし、それなりにユーザーやマーケットもあります。セクション毎のスペシャリストもいるので、アドバイスをもらったり、自分が一番得意なことに集中させて貰えます。もし、自分が倒れても引き継ぐ相手がいます。
つまり、「遠くへ行きたければ、皆んなで行け」です。

もちろん、皆んなで行く時には、仲間も募らなければならないし、また自分勝手な思いだけでは駄目なので、周りの人とのフェーズ合わせが必要です。その分、時間がかかったり、手続きが増えたりしますが、遠くまで行くには仕方のないことです。
ただ、最近やっと分かったのは、人に頼っても良いんだと言うことです。
ある部分のスキルが自分より少しでも優れている人がいれば、そこは拘りを捨てて協力をお願いしてみる。そうすれば自分の仕事がどんどん削られて、最後絶対人に負けない部分だけが残ります。当然、そこでの効率は極大化します。このように心がけていくことで、皆んなで行った時でも、より早く目的地に着くでしょう。
そして、そのように仕事ができればとても幸せだと思います。