今日学んだこと

分かっていることは書かない。分かっていないから書いて学ぶ。だから「今日学んだこと」なのです。

ビギナーズラック


(写真:錦、夜桜 その4)

その道に足を踏み入れたばかりの初心者が、思わず大きな結果を出すことがあります。

例えば、株を始めたばかりの人で、試しに買った会社の株価が、上昇して、いきなり大儲けする。
パチンコをやったことがない人が、試しに一発打ってみて、いきなりかかって周りをびっくりさせる。
素人シンガーが、試しに応募した曲でいきなり優秀賞をもらって大型新人と騒がれる。
漫画「はじめの一歩」のように、いままでボクシングをやったことのない人がジムの先輩とスパーをして、いきなりノックダウンをしてしまう。

周りの先輩は、たかが素人と見ていたら、「いきなり」大きな成果を上げて肝を潰す。なんでオレらがこんなに頑張ってなかなか出せない成果を、あんなポッと出が出せるんだ!
だから、やっかみ半分、警告半分で「ビギナーズラック」と言われます。
ただ、当の本人は経験がない分、それを自分の才能と勘違いしがちなのも事実です。おそらく、その道にのめり込む大きなキッカケになるでしょう。

株やパチンコ、ギャンブルにのめり込むようになるのは、このビギナーズラックの罪の部分です。最初味わった爽快感が忘れられずに、その後ずっと勝てなくても全財産をつぎ込むまで止められません。
最初の一曲が大ヒットして、大型新人と騒がれても、その人の実力が本物でなければ、後はずっと鳴かず飛ばずで、ついには「一発屋」と言われるでしょう。

では、ビギナーズラックは何故起こるのか、そして続かないのかを考えてみたいと思います。
私が考える理由はこうです。

一つ、たまたま条件が揃っていた
二つ、初めてだからと、力が抜けている
三つ、怖いものをまだ知らない

一番目は、確かにあります。
株で何の知識もないから、なんとなくで上がりそうなところの株を買った。それがたまたま大当たりしたら、プロはどう言うでしょうか。
「ちゃんと市場を勉強している人間なら怖くて絶対買えない。知識がないから手をだしたんだ。そんなマグレ当たりが続くはずがないから、きちんと株の勉強をしなさい。」
あるいは、初めてコースに出る初心者がクラブの振り方だけを習って、思い切り飛ばしたら、なんとホールインワン!これも、たまたま飛んだ方向とか、風の強さが良かっただけで、狙って打ったら絶対に入らないでしょう。

二番目もあります。
どうせ私初めてだし、入賞なんかあり得ないから楽しめれば良い、なんて考えて、コンテストに参加すると、それが返って審査員には新鮮に映って、良い結果が出ることがあります。もし、良い結果を出そうとガチガチになっていたら、入賞は難しかったでしょうね。
以前、女子高生が手慰みで書いた小説が賞を貰って、すっかり舞い上がった彼女が「努力する人なんか馬鹿みたい」発言をして問題になりました。しかし、これもつまるところ無欲故の勝利と、女子高生故の判官贔屓だったような気がします。

三番目、怖いものを知らない。
ボクシングでも、定石があります。
プロ同士なら、その定石を学んで、身体に染み込ませてからリングで戦います。しかし、素人はそんなことも、あるいは相手の怖さも知らないので、無邪気に腕を振り回します。ただ、その素人さんがパワーに勝っていたら、定石が身に染み込んでいるプロは無軌道な動きに翻弄され、不覚を取ることもあるかも知れません。
素人でも、きちんとボクシングを学んで相手の怖さが分かったら、そんなラッキーパンチは出せなくなります。

その道の素人でも、一度くらい結果をあげることは不可能ではありません。
しかし、プロは一度だけ勝てば良いのでなく、勝ち続ける必要があります。
悪条件であっても手堅くまとめ、はやる心に負けないマインドを鍛え、怖さを知りつつ怖さを超える必要があるのです。
勝ち続けるためのプロの道は険しいのですが、お金を貰っている以上避けては通れない道です。