今日学んだこと

生きることは学ぶこと。オレの雑食日記帳。

本物のプロは言い訳をせず磨き続ける


(写真:錦、夜桜 その2)

無料で全話公開していることで有名な医療漫画の『ブラックジャックによろしく』。
研修医の成長物語です。
人間の命の尊さと、病の残酷さ、医療の無力さ、そして素晴らしさを赤裸々に描いています。

大病院勤務の主人公は、研修のためいろいろな医局を回りながら、医療現場の理不尽を知らされます。しかし、不器用な主人公は理不尽を受け入れることができずに、自分の信じる通りに行動をして、周りとの軋轢を生んでいます。
そんな主人公が、心臓外科の医局に配属された時、非常に難しい心臓病の患者と出会います。

以下、余り詳しく書くとネタバレになるので控えますが、主人公は医局のルールを破ってまで、その患者の手術を外部の医師に依頼することに成功します。
その手術の最中、今行なっている術式が非常にリスクがあることが判明し、執刀助手達は、後遺症が残っても安全な術式に変えることを勧めます。「術式を変えたことで後遺症が残っても誰も先生を責めません。」
すると、その執刀医は腹から絞り出すように言うのです。
「俺が責める!!」

このシリーズの中で最も感動的な言葉です。
徹底した非妥協性、そして患者に対する責任感。
患者の命を危険にさらしてでも選択すべきなのか、と言う議論はありますが、そこは創作のこと、少し大目に見てください。
この「俺が責める!!」の凄さは、劇中に描かれた医師の情念が分かって初めて伝わることです。

しかし、この医師には、真のプロだと思います。
それは、「自分の仕事を精一杯やったから」「仕方がなかったから」という妥協を許さず、もっともっとと高みを目指すからです。
現実には、予算や期間の制約があるので自ずと限界はありますが、心意気では、もし自分の仕事に不満が残れば、そして、もっと良い仕事をできる可能性があれば、なんとしても改善し、追求したいという思いがあります。
そうして、磨き続け、そぎ落とし続けた先に一流と言われる世界があるのではないでしょうか。

アマチュアは自分で決めた基準に納得し、プロフェッショナルは常に相手の求めるところが基準である。
「自分のベストの仕事」が基準ではなく、「俺の仕事が分からない奴には用はねえ」と威丈高にもならず、真の満足を与えられるまで磨き続けるのです。ただただ頭が下がります。