今日学んだこと

分かっていることは書かない。分かっていないから書いて学ぶ。だから「今日学んだこと」なのです。

武器は相手の言葉の中にある


(写真:新安城駅)

誰かに何かをして貰いたい時、私たちはコミュニケーションを取ります。
しかし、なかなかこちらの要求通りに相手は動いてくれないものです。コミュニケーションは難しいですね。

しかも最近は、割とハッキリした人がいて、「嫌です」「やりたくありません」と拒絶されます。人間は拒絶に弱いので、人に頼むのが億劫になったり、拒絶を恐れて頼みごとをするのに気が重くなったりします。
会議の場でも、最初に声を出したは良いが、太鼓叩けども誰も踊らずで、自分の提案が宙を彷徨うことが度々。結局、自分で引き取るハメになり、どんどん仕事を増やす結果になります。ならば誰も要らぬ苦労は背負い込みたくないので、「言ったもん負け」でひたすら口をつぐみます。結果、どんどん組織の空気が澱んでしまいます。

こんなことではいけないと、勇気を奮って声を上げ、人を巻き込もうと頑張るのですが、皆んなもそれを察してかガードを固くする。
それでも、負けじとぶつかったら、「うるさい」と言われたり、感情的にこじれることもあります。
一体どう話をしたら聞いてもらえるのでしょう。

最近考えたのは、人間誰しも自分が一番好きなので、依頼もその人への肯定感があると要求を呑んでもらいやすくなると言うことです。
たとえば、「君を見込んで頼むんだけど」とか、「皆んな君にしかできないと言っているよ」とか。
嬉しくなって、「ようし」となる人もいますしね。
しかし、依頼の内容が相手を肯定できないものならばどうでしょうか。
たとえば、こんなシチュエーション。

「では、皆んなこの製品を推進すると言うことでいいな。」
「・・・」
「どうした、問題があればハッキリ言いたまえ。」
「あの部長、私たちにはその製品の売り方が今ひとつ掴めないのですが・・・」
「それを今更蒸し返してどうする。まずは世の中に出して、反応を見ながら方向を調整すると決めたじゃないか。」
「はあ・・・」
「他に意見はないか?」
「では済みません。先ほど反応を見ると仰いましたが、どれ位の人員で、どの位の期間見るおつもりでしょうか?」
「そうだなあ、全員で一カ月も見れば充分じゃないか。」
「全員・・・ですか。しかし、私たちには他に毎月の必達目標もありますし、全員というのはどうも・・・」
「何を言っとる!情けない!それくらい同時にこなさなくてどうする。」
「分かりました。部長がそこまで推されると言うことは、かなり有望な商品だと分かって安心しました。」
「君、分かっとるじゃないか。」
「毎月の活動をしながら、空きの時間で販売しても売れる凄い製品だと言うことですね。」
「そうだよ。」
「ならば、売り方が分からないのは私たちがボンクラだと言うことになります。」
「いや、そこまでは言わんよ。」
「そこで、一つ提案をよろしいでしょうか?」
「何だね?」
「私たちボンクラ社員に変わって、売り方を分かっていらっしゃる部長が手本を見せていただけないでしょうか。」
「なに・・・?」
「売り方が分からない社員が一斉に動いても無駄な時間が多くなるだけです。ならば、部長を中心に選抜した2、3人のメンバーでチームを作ります。そして、先行して販売をしていただき、売れるようになったところでノウハウを展開して、全員で販売をします。」
「ちょっと待て、俺が売るのか?部長がどんなに忙しいか分かっとるのか。」
「えっ、片手間でも売れる有望な商品と仰いませんでした?」
「それは君が言ったんだろう。」
「でも、否定もされませんでした。」
「う〜ん・・・。再検討させてくれ。」
「分かりました。」
〜・〜
少し無理やり感がありますが、部長は自分の言った言葉で方針転換をさせられてしまいました。
部下は自分の言葉でなく、相手の言葉を使ってうまく要求を通しています。
現実でも、相手の言葉を注意深く聞いていると、自らこちらが優位にたてるようなカードを晒していることがあります。
人間は、自分の言葉を上手く肯定されると、最後に不利な要求を呑まされても抗い難いものです。
武器は相手の言葉の中にある。やはり、交渉上手は聞き上手なのでしょうね。