今日学んだこと

生きることは学ぶこと。オレの雑食日記帳。

スタートアップマインド


(写真:錦、梅のほころぶ頃)

世の中にはたくさんの会社があり、それぞれに事業を展開しています。そして、そこには必ず創業のドラマがあります。
普通に会社に入り、上からの指示通りに仕事をこなして給料を貰っているだけでは、創業時のそんな苦労やドラマを知ることはできません。

最近、スタートアップと言う言葉が流行り、起業家にスポットが当たりますが、考えてみれば自分が就職した会社も創業当初はスタートアップでした。
人員もなく、売るものもなく、買う人もいない。そこから水を飲んで耐え、売るものを開発し、買う人を見つけました。そして、販売の拡大とともに人員を増やしてきたのです。
私たちが普通に接している創業社長や創業メンバーは、皆そんなところを通って来ました。そして、千載一遇のチャンスをものにし、何十年も継続する会社に育ててくれました。その中、私も縁あって職を得ています。思えば、実に恵まれた時期に、恵まれた仕事を貰えたと感謝しています。

しかし、マーケットは一様に一定周期で新陳代謝を繰り返し、同じビジネスモデルが通用する期間には限りがあります。昔は存在していたのに、今はもう存在しない職業はたくさんあります。同様に今は存在していても、未来は存在しなくなる職業もたくさんあるでしょう。
その流れの中で企業がとる道は二つです。一つは、マーケットがなくなると同時に廃業するか、二つには、新たなマーケットの獲得を狙うかです。
社員にしてみれば、急に会社に廃業されては叶わないので、新しいマーケットへの進出を果たしたいところです。
ただ、それを誰がするのか。
それは他でもない次世代を託された私たちの仕事です。

新しい市場や新しい事業に取り組むことは、創業時と同じように、人員も、売るものも、そして買う人もない中での努力を求められます。
しかし、創業者の苦労も知らず、スタートアップマインドも養われていないので、新事業を作るという命題を軽く考えているところがあります。
そして実際取り組んでみると、その道のりの険しさに呆然とします。

しかし、企業の中で新事業を展開することは、全くの新規スタートアップに比べて幾つかの利点があります。
まず資金面で、現在収益を支えているコアビジネスがあるので、その資金を使って不採算でも可能性のあるビジネスを立ち上げることができます。
製品面や買い手の面でも、すでにある製品を他業種に展開したり、あるいはすでにあるマーケットに新規製品を展開できるので、全くゼロからのスタートと比べて、かなりお膳立ては整っていると言えます。
人材の面でも、社内の他部署の支援を受けたり、ノウハウをアドバイスして貰えるので有利です。

もっとも、全くの新規スタートアップは、厳しい分、全て成功や失敗も自分持ちであり、いろんなしがらみがない分自由かも知れません。
ただし、成功確率は低く、リスクも負わなければなりません。そして、そこを敢えて進むスタートアップマインドが必要です。
企業内の取り組みにしても、本質は変わらないので、このスタートアップマインドの真似でもさせてもらわねばなりません。