今日学んだこと

分かっていることは書かない。分かっていないから書いて学ぶ。だから「今日学んだこと」なのです。

リーダーの姿勢


(写真:風晴れの日)

不器用な子供が学芸会の楽器のパートの希望を聞かれました。
「僕、指揮者がいい。」
「えっ、指揮者?」
「だって、棒を振るだけなら練習要らないもん。」

オーケストラの指揮者は棒を振っているだけの簡単な仕事に思えたようで、いかにも子供が考えそうなことです。
その所為か、昔落語家の春風亭小朝氏にオーケストラの指揮をさせようと言う企画がありました。
勇んで小朝氏は、楽器の奏者たちに「違う違う、そこはもっと強く」とか「もっと情感を込めて」とか注文をつけていたら、団員がボソッとこう言ったとか。
「あまり、ウルサイことを言うと、指揮棒の通りに演奏しますよ。」
この一言に小朝氏は青ざめたそうです。

指揮者は単なる棒振りどころか、オーケストラの要です。団員と共に長い時間をかけて演奏を練り上げます。その発表の場がコンサートなので、とても付け焼き刃で通用しないのは当然です。それを、難しい顔をしてタクトを振れば指揮者が務まるように思うのは、あまりに失礼と言うもの。
小朝氏の企画も、局内の身内ならではのご愛嬌と言ったところでしょうか。

さて、オーケストラにおける指揮者が奏者たちを統率して見事な演奏を作り上げるように、組織においてのリーダーもメンバーの能力を引き出して成果を上げるのが仕事です。
その時、リーダーに求められるものは何でしょうか。
普通、リーダーは現場でのスキルが高い人が昇格します。それは、その人が他のメンバーを指導して同じだけのパフォーマンスがだせれば、チームの能力が何倍にも高まると期待されるからです。
しかし、パフォーマンスが高い人が必ずしも良いリーダーになれるとは限りません。かつて、ダイエーホークス時代に監督に就任した王貞治氏がそうだったように、パフォーマンスの高い人は出来て当然のレベルが高く、一定のレベルに達しないメンバーの育成に途方に暮れるからです。

リーダーにとって、高いパフォーマンスを持っていることは、邪魔になることすらあります。
代わりに求められるのは、一言で言えば「姿勢の正しさ」です。
常に何が正しいか、何が最適かを考えて、そしてそれを率先して実践するのが姿勢の正しいことです。そして、日和見でそれを変節したりはしません。正しいことの基準を持って、ブレずに示し続けるのでメンバーは安心してついていくことができます。
メンバーの信頼あればこそ、リーダーはチームのリソースを最大限活かすことができ、後は正しい方向を示し続けることに集中できるのです。

こう考えてくると、オーケストラの指揮者と優秀なチームリーダーはよく似ています。ともに、パフォーマンスを現場のメンバーに預けて、ビジョンを示すことにより、全体を統率し高い成果を上げる人だからです。
まずは、姿勢、そして信頼、やがてパフォーマンス、成果の順番であると思うのですが如何でしょうか。