今日学んだこと

分かっていることは書かない。分かっていないから書いて学ぶ。だから「今日学んだこと」なのです。

最大の価値命題

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(写真:威風堂々)

うろ覚えで申し訳ありませんが、こんなエピソードを聞いたことがあります。

新進気鋭の起業家が、自社サービスのさらなる拡大を狙って、出資を募るため資本家に会いに行きました。
起業家は、資本家に会うや、いかに自分たちのサービスが今までにない画期的なもので、さらに業績がドンドン伸びているかを口角に泡を飛ばして力説しました。最後に「今私たちに投資しないのは非常に勿体ないことですよ」とまで言いました。

すると、それまでじっと起業家の話を聞いていた資本家が一言質問を発したのです。

「ところで、あなたの会社の最大の価値命題は何ですか?」

そう問われて、起業家はハタと困ってしまいました。
そうして、「申し訳ありません。」とだけ言って、起業家は資本家のもとを辞したといいます。

自信満々の起業家を、たった一言で帰らせてしまった、この「最大の価値命題」という言葉。なんともキツネにつままれたような話にも聞こえます。
資本家ならば、その投資対象の事業が収益が上がるか、上がらないかだけに関心があるはず。どんなに立派な理想を掲げても、収益の見込みが立たなかったら、たちまち資本を引き上げるでしょう。
その点、実績ベースで納得いくように説明をした起業家は申し分ありません。
しかし、資本家の質問はそれとは真逆でした。
「あなたの会社の最大の価値命題は何ですか?」
私見ですが、これは「あなたの会社は、どう世の中を良くしようとしているのですか?その使命は?」と言い替えても良いと思います。

私たちは、普通「キチンと収益を上げて、自分たちが良い生活をするのが事業の目的」と思っています。そして、いつも現場では、利益、収益が語られます。
なぜなら利益を確保し、キチンと企業を存続させなければ、どんな理想も絵に描いた餅になりますし、なにより今おつきあいしている顧客に大きな迷惑をかけることになります。

では、何故この資本家は会社の価値命題ということに、そこまで拘ったのでしょうか。

私は、人間にとっての最大の報酬とは利益以上に、人の役に立ったという「貢献」と、それを相手が喜んでくれたという「承認」だと考えています。
そして、これが間違いなく最大のモチベーションであり、向上、努力を続ける動機です。

自分の利益を考えるのは、ストレートであり、非常に分かりやすいのですが、それだけではいつか行き詰まります。存続をして、さらに成長をするには、もっと別のモチベーションが必要です。
それが、顧客からの期待であり、顧客への貢献であり、顧客からの承認であり、そして顧客への使命感です。それをみんなで共有できる会社が最も強いと思います。
そして、私たちも、社員一人一人が「あなたの会社の最大の価値命題は何ですか?」の問いに答えられる会社でありたいと願います。