今日学んだこと

分かっていることは書かない。分かっていないから書いて学ぶ。だから「今日学んだこと」なのです。

咀嚼する

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(写真:川と暮らす 豊田市足助地区)

まだ、20代のころ、第一次湾岸戦争が始まり、連日CNNの報道が放送されていたのを覚えています。

ベトナム戦争の頃はまだ幼く、フォークランド紛争はイギリスでの地域紛争と言うイメージがあったので、湾岸戦争は人生で始めて固唾を呑んで成り行きを見守った戦争でした。

戦端が開かれた時は、ラジオが刻々と戦況を報じ、まもなく米軍の空爆によりイラクの主要軍事施設の殆どが破壊されたと報じられました。その時、戦争の長期化は避けられそうだ、と安堵したことを覚えています。

今、思えば、アメリカの物量をして、相手国を捻りつぶすような戦争でした。それでも、毎晩軍事評論家が登場して戦況を解説し、日本中が耳をそば立てていました。ガザ地区で、イスラエルハマスが出口のない紛争を続けていても、あまり大きく取り上げられない昨今と比べると、実に呑気な時代でもありました。

そんな時、「アメリカ軍、調子良いですね」と、30代の先輩にポロッと言ったことがあります。
すると、「それは、CNNの一方的報道を信じ過ぎだ」と返されて、何も言えなくなったことがあります。

今なら、戦争は大義ばかりで行われていないことも、アメリカ軍の戦勝の裏で踏み潰された幾十万の命があることも分かります。また、現代においても、報道は情報操作から逃れることはできないことも理解しています。

ただ、当時は、情報を仕入れて垂れ流す能力しかなかったのだと思います。
また、今のような誰でも情報に簡単にアクセスできる時代には、情報自体に価値はなくなっています。
むしろ、その情報はどう見るべきか、その根拠は、と言う情報咀嚼能力に価値があります。

最近で言えば、福島原発周辺県の被曝問題。人気漫画家が、過剰な表現をして不安を煽ったと非難されました。ただ、本当に過剰な表現だったかどうかは知る術がありません。
福島県産の農産物も、農林水産省放射性セシウムの検査結果を発表しています。山菜、キノコ類では100bq/kg超の品目が認められるものの、他の農産物では皆無です。そのため、いたずらに内部被曝を喧伝することは、風評被害を広げることになり、福島県の人を深く傷つけることになります。しかし、周辺県での内部被曝の実態が暴露された記事を見ると、どちらが本当か分からなくなります。

感情から言えば、福島県の一部地域を除けば安全だと思いたい。しかし、内部被曝は時間が経たって分かる恐怖です。国の発表も、国としての都合/不都合を考えれば、故意でなくても良い数字に偏るのは仕方ありません。つまるところ、自己責任なのでしょう。

活字になると、私たちを、そこに書かれていることに権威があるように勘違いします。しかし、調査によれば、Wikipediaの医療記事の9割に間違いが書かれていたと言う報告もあります。ネットの活字をそのまま信用して垂れ流すのは危険なようです。
つまるところ、読み手自身、常に自己責任を問われています。そのため、その情報に対する自分なりの考え方が非常に大切です。

舞台での役作りで、名優は台本や原作を何度も読み込むと言われます。それは、役に対する俳優自身の解釈がなくては、本当に生きた人間の演技にならないからでしょう。
私も、人に情報をお伝えする時に「自分としてどう思うか」が大切であると思っています。とは言え、時間がないことを言い訳にして、そのまま垂れ流すことが無いわけではありません。そして、その度に理解不足を突かれて恥ずかしい思いをします。
少しは懲りて、よく情報を咀嚼して、自分の身にする習慣を身につけたいと思います。