今日学んだこと

分かっていることは書かない。分かっていないから書いて学ぶ。だから「今日学んだこと」なのです。

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(写真:黄金色の朝)

前にも書いたエピソードの再掲です。

ある時、町人たちが連れ立ってお城の家老に会うためにやって来ました。
「ご家老様、この赤穂には今のところこれといった特産がございません。
そこで赤穂は海に近いため塩を作ったらどうかと思い立ちました。さっそく僅かではありますが、試しに作ってみたところ、このように非常に良い塩を作ることができました。
ついては、海辺での塩田開発をご許可願います。この赤穂で塩を作ることができれば、必ずや藩全体も潤うことでしょう。」

それに対して家老は、「相分かった。さっそく検討する故、しばらく待つが良い」と一堂を下がらせました。

「さすがご家老様、話が早い」と町人たちは喜々として許可の沙汰を待っていました。
ところが、1年待っても2年待っても一向に沙汰がない。
町人たちは「はて、どうしてしまわれたのか」から「ご家老様も、ものの分かったような顔をしてなさるが、実は何も分かっていない」とだんだん諦めムードへと変わっていきました。

そして、皆が忘れかけた13年目、突然城から呼び出しがかかりました。
そして、急いで登城した町人たちに塩田開発の許可が降りたのです。
驚く町人たちに家老は
「最初、塩田開発の話を聞いた時、良い案だと思った。しかし、よくよく検討して見ると大きな問題があったのだ。
それは、塩を作る為には海水を煮る釜を沢山作らねばならぬ。またその釜を炊く薪も大量に必要になる。
そのために、山から大量に木を切り出したらどうなる。たちまち山は丸坊主、そこに雨が降ったら洪水じゃ。田畑は押し流され荒廃するであろう。
田畑の荒廃は一藩の荒廃。
そこで、この13年間植樹に注力して参った。そして、もういくら木を切り出しても大丈夫と判断した故、塩田開発を許可するのだ。
おおいに励むが良い。」
町人たちは、家老の深い見識に敬服せずにはおれませんでした。

この家老こそ、かの忠臣蔵の立役者、大石内蔵助でした。
この深い見識あればこそ、吉良や公儀の厳重な警戒をかいくぐって、見事主君の仇討ちを成功させたのだと頷かずにおれません。

特産のない赤穂藩にとっても塩田開発は有難い話だったでしょう。
すぐにも許可をしたい気持ちをグッと抑えて、時間をかけてリスクを評価したのはさすがです。また、13年間という期間を許容した殿様も偉かったと思います。

私たちは、苦しいとついつい目先のことに踊らされます。たとえば、収入が低くて生活が苦しい人は、ネットで公開されている投資話に飛びつきます。しかし、次に何が来る、そのまた次に何が来る、と先の先まで想定すれば、決して安易に飛びつくべきでないことが分かります。

少し違いますが、14歳の女の子がネットイジメを減らすシンプルな方法を思いつきました。
結構、有名な話ですよね。
それは、個人攻撃の投稿をする前に「その投稿は誰かを苦しめない?自分は後悔しない?」とサイトが尋ねてくる仕組みです。
シンプルですが、これだけでネットイジメはかなり削減されたと言います。
反対から言えば、私たちは後で後悔するようなことをかなりの頻度で衝動的に行っているということでもあります。

今が苦しい時に安易な解決策をとりそうになったら、次に来る流れを読んで判断する。例えば、目先のお金が足らないからと借金をしても、返す目処がなければアリ地獄にはまります。
また、今が恵まれていても、そこに安住しない。むしろ、順境だからこそ、常に次に来る流れを読んで、準備ができるようになりたいと思います。