今日学んだこと

分かっていることは書かない。分かっていないから書いて学ぶ。だから「今日学んだこと」なのです。

リスクを冒す

(写真:豊田市 鞍が池公園)
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『経営活動の本質とはリスクを冒すことである』(P.F.ドラッカー)

私たちは会社で日々リスクを冒しています。
分かりやすい例で言えば、まず仕入がそれにあたります。
店頭に商品を並べるためには、ものを仕入れなくてはなりません。
たとえば、運送費も込みで一つ500円で仕入れて1000円で売る。
差額は、500円ですから、1000個売れれば、50万円の儲けになります。

それを見越して1000個仕入れますが、その実1000個売れるかどうかは分かりません。そのうち、500個売れれば仕入とは相殺しますが、残る500個は在庫となって、廃棄、もしくは在庫コストが発生して結局損が出ます。その間、仕入、販売の人件費、店舗スペースの占有によるコストが発生しますから、実際の損金はさらに積みあがります。

これを称して、ドラッカーはリスクと表現しています。
つまりは、利益=売上ー原価ですから、売上<原価、となると事業継続はできません。しかも、売上は明確でも、原価は仕入だけでなく、人件費、設備投資、研究開発、事務所、借入に対する利子等の全てが複雑に絡んでいるので、実態は赤字なのに、それを半期で締めてみなければ分からないということが往々にしてあります。
その為、経営者の方は、毎月の月次報告を目を皿のようにして見て、経営リスクをどうしたら回避できるかに神経を使っています。

これは、ごくごく当たり前のことですが、ともすれば私たち社員はこの簡単な原則を忘れています。
言わば、作業の罠というヤツです。
私たちのような開発会社ならば順調に案件が捌けていれば安心し、運送事業者ならばターミナルに積みあがった荷物が無事発送できれば安心し、倉庫事業者ならば入出庫の依頼が滞りなく対応できれば安心します。
そして、目の前の作業が全てリスクをともなう経済活動の中にあることを忘れています。

自分のした発注が、大量の売れ残りを生んで経営を圧迫するかも知れない。自分がお客様と納期を約束した時点で、守れないとお客様と自分の会社に損害を与えるかもしれない、そんなリスクのカウントダウンの中で仕事をしているのです。
また、荷物を届ける時の値段交渉を間違えても、トラックの維持費や乗務員さんの人権費を捻出できなくなるリスクがあります。
経営者が「どうしてこんな非効率なことをしているのか!」と、都度私たちを目に角を立てて叱るのも、私たち一人一人がリスクを負った存在だからです。

だからと言って、逆にリスクを取らなくなったら、どうなるか?
ドラッカーは、事業は「本質的にリスクをともなうものだ」と言っています。
逆に言えば、リスクを取らなければ事業は成り立たないのです。

「売れるか売れないか分からないのに、こんなに金額を投入して作っても良いのだろうか?失敗したら、責任が取りきれない。」

「ならば、失敗をしないようにしよう」と思ったら、実際は何もできなくなります。
つまるところ、私たちは会社にいる以上リスクを負った存在であり、リスクを取ることでしか責務を果たせません。
それが分かった上で、どうすればリスクを少しでも軽減できるかを真剣に考える責任があるのです。