今日学んだこと

生きることは学ぶこと。オレの雑食日記帳。

早めの一針

(写真:ストリート・オブ・フシミ)
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『今の一針、後の十針』

服がほころんで来たな、と思った時、そこですぐ繕えば僅かな労力で済みます。
しかし、ほころびが大きな穴になってから慌てて繕うと、その10倍以上の労力をかけて裁縫をしなければなりません。

何事もその習いで、少し気になった時に対処を怠ると、後で仕事が何十倍にも増えます。

分かり易い例では、「車から異音がするな」と思った段階で面倒がらずにカーディーラーに行けば、「オイルがなくなっていますね」で済むものを、エンジンが悲鳴を上げてからディーラーに駆け込んだらどうなるか?
最悪、廃車か、何十万も出してエンジン交換のハメになります。
少々極端ですが、最初の一手間を惜しんで、何百倍にも増えて跳ねかえってきた例です。

また、よくあるのがメールの対応。
取引先から入った問い合わせのメール。要件自体はたいしたことがなくても、他の会社に問い合わせる必要があり、つい億劫になる。
すぐ、「時間を下さい」なり「いついつまでに回答する」と返信すれば良いのに、それを怠るとどうなるか?
ひょっとしたらその問い合わせは、先方の役員クラスの質問を、一担当者が代わりにメールしているかも知れません。
それを放置した結果、

「君、この間たのんでおいた質問の回答どうなった?」
「申し訳ありません。仕入先の担当者には依頼したのですが、なしのつぶてで。」
「それは、怪しからん。私から文句を言おう。」

と言う会話が先方で行われ、相手の偉い人から上層部にクレームが入ったら、会社は蜂の巣を突いた大騒ぎ。
「誰だ!怪しからん対応をしたのは!」となって、最後、高価な手土産を持って、上司と謝りに行くハメになります。

よく「仕事のできる、できないは、メールの返信速度を見れば分かる」と言われますが、なんとなく分かる気がしますね。
私も「忙しい、忙しい」と口にしながら、すぐ行うべき作業を怠り、そのつけを会社のお金を使って払っているかも知れません。

これは、会社の事業でも一緒でしょう。
順調に伸び続けていた売上が翳った時、「ん?なんだろう?」と分析をして原因を追究すれば、割と軽微な手間で対処できます。
しかし、「こんな月もあるさ」と放置すれば、気がつけば市場自体が消滅していたということだってあり得る時代です。
昨日投稿した富士フィルムも、危機がいよいよ顕在化してから慌てて動いた訳では無いでしょう。
富士フィルムでは、「富士フィルム消滅まで、あと何日」とXデーを決めて取り組んだと言います。
その危機感と、早めの準備があったからこそ、環境の激変を乗り切ることができたのだと思います。

しかし、「それは、経営者の仕事で、一社員の仕事ではない」と言うことなかれ。
2つの目より、200の目、2000の目で見た方が気づきは当然多くなります。
そもそも、ほころびは現場に発生します。要は、一人一人がそこに目を向け、発信するかです。
私たちも、そんな気づきが溢れ、早めの一針ができる会社になりたいと思います。