今日学んだこと

分かっていることは書かない。分かっていないから書いて学ぶ。だから「今日学んだこと」なのです。

三年寝太郎

(写真:黄金の季節)
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三年寝太郎、日本の昔話です。

太郎は、朝から晩まで、日長1日、ずっと寝て過ごしていました。
お腹が空いたら、おっ母の作った握り飯を食べ、たまに起きてきたなあ、と思うと崖の上からションベンをする。
ずっとこんな調子だったので、

「あんないい働き盛りのもんがもったいねえ」
「ありゃ、寝太郎じゃ」

と村人からは陰口を言われていました。

その村には、悩みがありました。
近くを流れる川がなかったので、水は空から降る雨だけがたのみでした。それで、少し日照りが続くとたちまち稲に大きな被害がでるのです。
近くに川が流れない理由は、山の上の大きな岩でした。岩が山から流れ出してくる水の流れを堰き止めているので、村まで水が来なかったのです。
太郎は、ときおり寝ている小屋から起き出してきて、じっと山の上の大岩を眺めていました。

そんな日が続いて、たちまち3年という月日が経ちました。ついに村人は太郎のことを「三年寝太郎」と呼ぶようになったのです。
ある日、太郎は、急にガバッと起き上がると、驚くおっ母を家に残してズンズン村へ歩いていきました。
村人たちは、太郎が急に起き出したので

「どうした太郎、なにごとだべ」

と次々に声をかけました。
しかし、それを無視して太郎は、村を通り抜け、ズンズンと山へと登っていきました。
そして、水を堰き止めている大岩に取り付くと渾身の力を振り絞りました。これまで、大人が何十人がかりでビクともしなかった大岩です。太郎がどんなに全身真っ赤にして力を振り絞ってもビクともしません。
それでも、太郎は力を出すことを止めません。心配して見に来たおっ母や、面白半分でついてきた村人たちは、太郎のすることがあまりに無茶なので、最初は呆れておりました。
しかし、太郎の真剣な様子に

「しっかりせえ太郎」
「頑張れ」

と声を合わせて応援を始めました。

それから、半日が過ぎて、日が傾きかかった時、あんなにビクともしなかった大岩が少しずつ動き始めます。
それに力を得た太郎は、さらに力を振り絞りました。
やがて、大岩は、ゆっくりと地面から離れ、轟音と共に下へと転がり落ちました。そして、岩に堰き止められていた水がドウドウと麓めがけて流れ落ち、村人たちは歓声の声をあげました。

それからというもの、村は水の心配がなくなり、いつも豊作に恵まれました。
一方、太郎は以前のように日長一日寝て過ごしましたが、もう誰も「寝太郎」と悪口を言うものはいなくなりましたとさ。

〜・〜

大事をなすのは、こんな人かも知れません。
まずジッと熟考し、腹が決まれば、ひたすらに力を貯める。
その間、いろいろと周りは言うでしょう。
誰でも自分が一番頑張っていると思っているので、自分のようにできない人間を許せないのです。
しかし、そんな声にも馬耳東風。ひたすらに、その時を待ちます。
そして、機が到来したと見るや、電光石火のごとく動き、鮮やかに大事業を成し遂げます。

人の意見にフラフラしている自分には到底及びませんが、なんと格好の良い生き方でしょうか。